グループホームの職員はどんなことをする人たち?
需要が高まっていることで注目を集めているグループホームですが、そこで働いている職員はどういった仕事をしているのでしょうか。
ここではグループホームで働く職員について、また、それぞれの仕事内容について紹介していきたいと思います。
1.それぞれの役職と役割
グループホームには直接入居者を担当する職員以外にも色々な役割の職員がいます。
「代表者」
グループホーム事業所の代表者です。
全体的に統括するという立場ですので、求められる条件も厳しいものとなります。
・特定の介護施設で認知症高齢者の介護をした経験がある
・保険医療や福祉サービスの事業経営に携わった経験ことがある
・厚生労働省の定めた「認知症対応型サービス事業開設者研修」を修了している
といった条件を満たしている必要があります。
「管理者」
グループホームの施設ごとに管理者を設置する義務があります。
こちらの管理者はグループホームの運営、経営を直接担当する職員です。
代表者はずっと施設にいる必要はありませんが、管理者は基本的に常勤でなければならず、なるためには条件を満たしている必要があります。
・特別養護老人ホームや介護老人保健施設などで3年以上従事した経験がある
・認知症高齢者介護の経験がある
・厚生労働省が規定する管理者研修を修了している
といった条件となります。
これらを満たしていると管理者になる要件を満たすこととなります。
一般的にはスタッフで経験を積んで、ステップアップすることが多くなっています。
「サービス管理責任者」
グループホームで行われるサービス全般をまとめて管理するのがサービス管理責任者です。
他の事業所や同一事業所の職務との兼務、非常勤が可能となっており、それぞれのグループホームに1人を配置する必要があります。
「計画作成担当者」
グループホームでは画一的にサービスが行われるわけではなく、入所者個人に合わせて介護サービスが行われることとなります。
障がいがある高齢者の場合は、その障がいの重さに応じて施設側の取り組みも変わってくるため、利用者それぞれにケアプランを作成する必要があります。
このケアプランを作成するのが計画作成担当者です。
共同生活を行う施設それぞれに1名以上を配置することが決められています。
また、この計画作成担当者は施設に1名以上はケアマネジャー、介護支援専門員の資格を持っている必要があります。
施設に1名のみ配置されている場合は、その人が資格を持っている必要があるということです。
「介護職員」
介護サービスを行っているグループホームで、実際に介護サービスを行う介護職員です。
細かい規定があるのですが、
・グループホームの利用者3人に対して、1人以上の配置
・複数の介護職員がいる場合は、そのうち1人以上が常勤であること
・深夜帯については介護職員が常時1人以上配置
といった決まりがあります。
ここで利用者3人に対して介護職員1人以上とありますが、これは常に常勤の人が、その人員数配置されていなければならないということではありません。
例えば、常勤1人とパート職員という組み合わせでも可能です。
「世話人」
世話人は施設内でさまざまな業務を行います。
・施設の掃除、洗濯、食事などのサポート業務
・金銭管理
・健康管理、薬の管理
・生活など全般の相談
となっています。
「生活支援員」
こちらは入居者の入浴や食事、排泄などをサポートする役割の人です。
人数の配置はその施設の障がいの度合い、人数などによって基準が定められています。
「生活相談員」
グループホームの利用の仕方がわからない、家族などと連絡がスムーズにできないということがあるのですが、そういった際に生活相談員が入居者やその家族との間に入って、連絡や調整業務を行います。
また、グループホームへの入居に関する相談や手続き、相談援助など、グループホームの窓口としての役割を行います。
「看護師」
グループホームでは一般的な介護施設とは違って、看護師の配置が義務とはなっていません。
そのためグループホームによっては常に看護師の配置がされていないという場合もあります。
しかし近年、グループホームでの医療サービスが期待されていることもあって、看護師を配置するグループホームが増加傾向にあります。
「ケアマネージャー(介護支援専門員)」
グループホームではケアマネージャーが配置されています。
入居者や家族からさまざまな相談を受けたり、介護計画書の作成をしたりします。
それ以外は日常的な介護業務を行うことも多く、介護職員のまとめ役や指示役として現場を指揮することもあります。
「作業療法士・理学療法士・言語聴覚士」
入居者が自立した日常生活をおくるためにそれをサポートするということもあります。
こうしたグループホームでは機能訓練が行われることがあります。
機能訓練は身体機能や言語機能の向上を目的としており、それぞれの入居者の状態に合わせて適切な訓練を行うこととなります。
そうした仕事を行うのが作業療法士、理学療法士、言語聴覚士などの機能訓練指導員です。
2.障がい者向けグループホームの職員の仕事とは
障がい者グループホームではさまざまな役割を果たす職員が仕事をしています。
高齢者グループホームと同様の仕事もありますし、特有の仕事もあります。
基本的には、「管理者」と「サービス管理責任者」「世話人」「生活支援員」を中心に配置されています。
一般的な介護施設では「介護スタッフ」または「介護職員」と呼ばれることが多いのですが、障がい者グループホームでは「世話人」と呼ばれる人が重要な役割を果たしています。
「管理者」
障がい者グループホームでのサービスの提供に必要な知識や経験を持った人が常勤として勤務します。
ただし、管理上問題が無い場合は他の事業所や施設で働くということも可能です。
「サービス管理責任者」
こちらは施設で実際に行われるサービスの全体的な管理を行う責任者です。
その施設の人数によって配置される人数も違ってきています。
・施設の入居者が30人以下の場合は 1名
・施設の入居者が31~60人の場合は 2名
となっています。
「世話人」
世話人は施設内でさまざまな業務を行います。
実際に現場でもっとも活動的な役割を果たすこととなります。
主な仕事は、
・施設の掃除、洗濯、食事などのサポート業務
・入居者の金銭管理
・健康管理、薬の管理
・生活など全般の相談
・対話をベースにしたカウンセリング業務とその記録
となっています。
世話人は「早番」「日勤」「夜勤」のようにシフト制になっていることが多く、その時間帯によって仕事内容が変わります。
例えば早番、日勤であれば、
・入居者の起床を促す
・寝起きのバイタルチェックを行う
・洗面や着替え、排泄の補助を行う
・朝食の準備を一緒にして食事を摂る
・入居者と共に掃除や洗濯を行う
・レクリエーションを行う
・昼食の準備を一緒にして食事を摂る
・入浴の補助を行う
・夜勤の人に引継ぎを行う
などを行います。
夜勤の場合は、
・入居者と一緒にテレビを見たりして過ごす
・就寝の準備をする
・定期的に入居者の部屋を巡回して問題が無いかをチェックする
・早番の人に引継ぎを行う
という仕事を行います。
こうした世話人としての仕事に特別な資格は所持している必要はありませんが、仕事の内容として介護知識などが求められるために、「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務者研修」「介護福祉士」などの資格を持っている人が優遇されています。
また、これらの仕事を生活支援員と分担、協力して行うことがあります。
まとめ
グループホームではさまざまな役割を果たす職員が働いています。
どうした仕事が行われているかを知ることで、グループホームを効率的に運営、利用していくことができるでしょう。