サテライト型グループホームと戸建て型グループホームの違い

グループホームには「戸建て型」「アパート型」「サテライト型」といったいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。

そのため、それぞれの特徴を知った上で自分に合った施設を利用していくことが重要となります。

そこでここでは、「サテライト型」と「戸建て型」の違いについて紹介していきたいと思います。

1.戸建て型グループホームとは

「戸建て型」という名前がついている通り、利用者は大きめの一戸建て住宅に住んで、そこでさまざまなサービスを受けるという施設です。

部屋は個室に分かれていますが、食堂、リビング、トイレといった共有スペースを共同で利用することとなります。

そのため共同生活という要素が強いものとなっています。

誰かと共に過ごす時間が長くなっており、一人の時間が少ない代わりに他人の目が届きやすいというメリットがあります。

スタッフ、世話人、支援人は食事や風呂、トイレの介助を行う頻度が高く、そのため比較的重い障がいがある人が利用しているという傾向があります。

「共同生活が好き」「大勢で生活をするのが苦にならない」「重度の障がいがある」といった人に特に向いていると言えるでしょう。

建物としての分類でいうと大勢の人が共同生活をおくる施設ということで「寄宿舎」という扱いになります。

一戸建ての建物をグループホームとして利用したい場合は、「寄宿舎」への用途変更申請を行い、さまざまな法律に従って建物をリフォームしていくこととなります。

関連する法律としては、

・建築基準法

・法人法

・介護保険法

・地域の自治体の条例(まちづくり条例など)

・障害者総合福祉法、老人福祉法

・バリアフリー法

・消防法

といったものがあります。

2.サテライト型グループホームとは

「サテライト型」のグループホームは大勢の人が共同生活をしている施設本体ではなく、その施設の近くにあるマンションやアパートなどで生活をするというものです。

もちろんその離れた場所で完全にそこで自立して一人で生活をするというのではなく、本体のグループホームで食事をしたり、他の利用者との交流イベントやレクリエーションを行ったりすることができるようになっています。

さらに必要に応じて、グループホームの支援員のサポートを受けることができるようになっており、一日に何度か定期的にスタッフが訪問も行います。

運営としては、サテライト型住居単体ではグループホームとして運営することはできず、本体があった上で、その近くに設置することができるという形式になっています。

利用者は食事や交流イベントなどは本体のグループホームで行うものの、基本的には住居で一人暮らしをすることに近いものとなりますので、「集団生活が苦手」「比較的障がいが軽度」「自立した生活にこだわりがある」といった人が利用するものとなっています。

また、これから完全に一人暮らしをする人が途中のステップとして利用するという場合もあります。

3.サテライト型と戸建て型の違いとは

サテライト型と戸建て型とはかなりの違いがありますので、その特徴を知った上で選ぶ必要があります。

似ている部分としては、もちろん障がい者向けのグループホームですので、利用者の障がいの程度に応じて日常生活の支援、サポートを受けるというものがあります。

食事、風呂、排泄などの介助を受けることで、自立した生活をすることを目指していくという点は同じものとなります。

また、交流イベントやレクリエーションに参加するというのも同様です。

ここで交流を行ったり、心身のリハビリなどを行うことができます。

逆に違っている部分としては、「共同生活の度合い」というものがあります。

「戸建て型」の施設は大勢で共同生活をするという要素が強いので、日常生活は大勢の中で行うこととなります。

そのため、常に他の人、スタッフなど多くの人の目に留まることが多いので、障がいが重い人、サポートを多く必要とする人が安心して利用することができるようになっています。

何かトラブルがあった際などにもいち早く気づくことができるというメリットが特徴だと言えるでしょう。

しかし逆に「自立したい」「自分で色々とやりたい」「共同生活が苦手」という人にとっては住みにくい施設となります。

それに対して「サテライト型」では、一人で生活をするという要素が強くなっているため、自立して生活したいという人に向いているものとなっているのです。

その分、人の目には留まりにくくなるため、比較的障がいが軽い人が利用するということになるのです。

完全に自立して一人暮らしをする人の練習段階としても利用されています。

サテライト型は形式的には一人暮らしに近いのですが、食事などは本体のグループホームでとるために頻繁に本体を訪問することとなります。

また、定期的にスタッフが訪問してくれるので「半自立」と言えるかもしれません。

そのため完全に一人暮らしの前段階の半分一人暮らしに近いような形式となっています。

まとめ

グループホームには「戸建て型」「サテライト型」「アパート型」などいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。

障がいの度合いや、本人の性格や希望などによって適したグループホームが違ってきますので、よくそれらを分析し、それぞれの利用者に合った施設を選ぶようにしましょう。