戸建て型障がい者向けグループホームの生活サイクルは
障がい者向けグループホームには「戸建て型」と「アパート型」があり、それぞれに長所や短所があります。
そこに入居している人たちにも違いがあり、生活サイクルも違ってきています。
そこでここでは戸建て型グループホームに入居している人の生活サイクルについて紹介していきたいと思います。
1.戸建て型グループホームの特徴とは
戸建て型グループホームは名前が意味している通り、入居者は一戸建ての住宅に住んでサービスを受けるというものになります。
一戸建てはグループホーム向けに新築されたものや、もともとあった一戸建てを要件を満たすように改修したものが使用されます。
使用することができる建物は以下のような条件を満たしていく必要があります。
・建築基準法
・法人法
・介護保険法
・厚生労働省令 第34号「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」
・自治体の条例(まちづくり条例など)
・障害者総合福祉法、老人福祉法
・バリアフリー法
・消防法
こうした条件を満たした一戸建ての建物で、個人のスペースも確保しながら食堂やリビング、トイレなどが共有スペースとなっており、シェアハウスのように入居者で共同生活を送っていくこととなります。
新築の場合は2~10名程度、既存の建物の場合は2~20名まで入居できるようになっています。
入居者は自分の部屋はありますが、誰かと共に過ごす時間が長くなっており、一人の時間が少ない代わりに他人の目が届きやすいというメリットがあります。
スタッフ、世話人、支援人は食事や風呂、トイレの介助をすることとなり、24時間体制での支援となります。
こうした特徴があるため、戸建て型グループホームの場合は、比較的重い障がいがある人が利用しているという傾向があります。
アパート型グループホームでは支援しきれない、対応しきれない部分も対応できるということがありますので、利用者は安心して利用することが可能となります。
入居することができるのは、
・身体障がい
・知的障がい
・精神障がい
・難病患者
などがある人となっています。
18歳以下は原則として利用することはできません。
また、65歳以上の場合は、「65歳になるまでに一度は障がい福祉サービスを受けたことがある場合のみ」という条件を満たしていると利用可能となります。
障がい者総合支援法における「障がい支援区分」によって世話人や支援人、スタッフなどの配置基準が変わってくることとなりますので、まずは支援区分の判定を受けることとなります。
支援区分は「1」~「6」までの7つの区分に分かれており、数字が大きいほど支援の度合いが強いと判断されます。
そうした中で、「将来的に自立した生活を目指している」「一定の支援サポートを受けながら地域で生活していく」「家族から離れて生活をしていく」という人が生活していくこととなります。
2.戸建て型グループホームの生活サイクルとは
アパート型グループホームと同様にサポートを受けて自立した生活を目指していくことになるのですが、戸建て型グループホームでは比較的障がいが重い人が多く入居しており、サポートも手厚いものとなっていることが多くなっています。
そのため、就労支援を受けて働いているという人の割合はアパート型よりも低くなっており、まずは支援サポートを受けながら日常生活での自立を目指していくことが基本となります。
どれだけのサポートを受けるのかについては、入居者によってそれぞれ制作される個別支援計画によって決められていきます。
この個別支援計画はサービス管理責任者が作成します。
また、入浴や排せつのサポートについては生活支援員が行います。
健康管理や金銭管理などの日常生活のサポートについては世話人が行うようになっており、それぞれが連携して幅広くサポートが行われていきます。
入居者はリビング、浴室などの共有スペースで他の入居者と交流をしたり、レクリエーションなどのイベントに参加することでコミュニケーションをとっていきます。
また、こうしたレクリエーションは筋力の維持や脳トレなどの効果があるものがあり、健康管理にも役立てられています。
こうして他者とのつながりを維持しながら、サポートを受けることで少しずつ日常生活の自立を目指していく生活を送っていくこととなります。
中には食事などを提供されるだけでなく、食事作りのサポートを受けたりすることで自分ができることを増やしていくという取り組みが行われることもあります。
まとめ
障がい者向けのグループホームは少しずつ増えてきている状況がありますが、「戸建て型」と「アパート型」では違った特徴があります。
本人の障がいの度合いや希望などを考えながら、その人に適した施設を選んでいくことが重要となります。
また、その施設によって受けられるサービスが違うということもありますので、地域の自治体やケアマネジャーなどと相談しながら決めていくと良いでしょう。