グループホームを利用する際に使える制度
障がい者向けグループホームを利用する際にはどうしても初期費用や家賃などがかかってしまうものですが、そういった際に利用できる制度がいくつか用意されています。
そこでここではグループホームを利用する際に使うことができる制度について紹介していきたいと思います。
1.特定障害者特別給付
グループホームを利用する際にかかってくる費用を軽減することができる制度です。
一般的に知られている、所得の低い利用者に対して施設サービスの食費や家賃の一部が支給される「特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)」は特定養護老人ホームや介護老人保健施設などで適用されるものであって、障がい者向けグループホームで使用することはできません。
そこで利用されるのが「特定障害者特別給付」です。
この「特定障害者給付」は家賃の助成制度となっています。
2003年より前には行政がそれぞれのサービス内容を決定する措置制度で行われていました。
そしてそれ以降になると自治体から福祉サービスの障がい者としての支給決定を受けた人が、自分で自由に事業所を選んで事業所と契約をすることでサービスを受けることができる支援費制度へと移行しました。
しかし自由にサービスを選ぶことができるようにはなったのですが、利用者の拡大や地域によってのサービスの格差、精神疾患の障がい者は対象外といった問題点もありました。
そうした問題を解決するために2005年には「障害者自立支援法」が施行されました。
この障害者自立支援法では「利用料の1割が自己負担」となっていたために、やはり費用が負担となる人がいました。
そうして2010年に障害者自立支援法は改正され、それまでの1割の自己負担から、利用者の収入に見合った自己負担へと変更されました。
このタイミングでグループホームを利用する際の入居者の家賃を一部補助するために「特定障害者給付」が制度化され、2011年10月から開始されました。
対象者は、「年齢に関係なく生活保護受給世帯や市町村民税非課税世帯の障害のある人」が対象となります。
そのため、20歳未満の障がい者の人でも条件を満たしていれば給付対象となります。
対象地域は、障害者総合支援法によって定められている補助金ですので、それぞれの自治体においてすべての地域で対象となっています。
対象となるのは「家賃」であり、光熱費、水道代、日用品費、日常生活費などはこれには含まれません。
上限は月額1万円となっていて、申請をしなければ給付対象とはなりません。
また、一度決定されたから無条件で毎年補助金の対象となるわけではなく、1年ごとの更新となります。
そのため、年1回負担上限月額の見直しと一緒に、補助金の対象者か否かの確認が市区町村によって行われます。
申し込みを希望する場合には、利用者本人か、その家族が自治体の窓口で必要書類と証明書などで申し込みを行うこととなります。
支給は利用者本人ではなく、グループホームにされた上で、その金額が必要な家賃から差し引かれることとなります。
月の途中でグループホームを別のグループホームに移動をした場合は、原則として「実際に支払った家賃」と「上限である1万円」のどちらか額の低い方を支給するとされています。
そのため、途中で移動した場合などはそれぞれのグループホームに実際に支払った家賃の額の合計額と、1万円の低い額の方が先に利用していたグループホームと移動した先のグループホームに支払われる給付の額の合計額となります。
具体的な手続きとしては、先に利用していたグループホームから優先して支給し、支給する補足給付額に残余があれば、これを移動した先のグループホームに支給する方法が考えられます。
2.高額介護サービス費制度
こちらは介護保険サービス費を対象にして、入所者の所得に応じて設定された月々の自己負担の限度額を超過した場合に使用することが可能となるものです。
また、この制度は世帯全体の負担額についても考慮されますので、夫婦などでお互いに利用して上限額を超えてしまった場合でも適用されることとなります。
こちらは一度申請すると、二回目以降は該当が認められるたびに支給されることとなっています。
ただし支給申請には2年という時効があるので注意しましょう。
自己負担の上限額は、
世帯:24600~44400円
個人:15000円
となっています。
窓口は自治体の「介護保険窓口」「医療保険窓口」などとなっています。
3.それぞれの自治体独自の助成
すべての自治体ではないものの、それぞれの自治体が独自でグループホーム入所者に対する助成を行っている場合があります。
たいていは「住民税非課税世帯」「収入や資産」などについて条件が定められていますので、それらを確認しておくと良いでしょう。
認定されると家賃や光熱費の一部について助成金が支払われる場合があります。
まとめ
グループホームを利用する際には色々と利用できる制度があります。
条件を満たしているかどうかを確認して、忘れないように申請を行うようにしましょう。