生活保護の方が障がい者向けグループホームに入るための手順
障がい者向けグループホームは生活保護を受けている人でも利用することができます。
しかし、どうすれば良いかわからない、どこで手続きをすれば良いかわからないということもあります。
そこでここでは、生活保護を受けている人が障がい者向けグループホームを利用する際の手順について紹介していきたいと思います。
1.障がい者向けグループホームに申し込むまで
障がい者向けグループホームに申し込むまでの流れは生活保護を受けている人もそうでない人も基本的には同じものとなります。
障がい者向けグループホームは自治体を通して申し込みを行うのではなく、申し込みたい当事者が直接申し込みを行うこととなっているので、一般的な福祉施設とは違った流れとなります。
もちろん、自治体が何もしないというわけではなく、「グループホームの案内」「障がい者手帳などの発行」ということで自治体に関係することとなります。
障がい者向けグループホームを利用するには、どういった障がいを持っているのか、どの程度の障がいなのかを証明する必要があります。
これらには「身体障害者手帳」「精神障害者福祉保健手帳」「療育手帳」などがあるのですが、これらは基本的には自治体で発行されるものが多くなっています。
「身体障害者手帳」とは「身体障害者福祉法」に基づいて、身体に何らかの疾病があるために、就学や就労だけでなく生活を送る中で困難な状態が永続的に続く場合に出される手帳となっています。
手や足などの障がいだけでなく、視力や聴力といった五感に関するもの、言語障害などや血液や内臓などの疾患に関してもこちらの手帳が給付されることとなります。
「精神障害者福祉保健手帳」は、統合失調症、うつ病、てんかん、薬物やアルコール依存症や急性中毒、高次脳機能障害、自閉症や学習障害、注意欠陥多動性障害といった発達障害、躁うつ病といった気分障害などの精神疾患や発達障害が見られ、支援が必要と判断される場合に給付される手帳となります。
1~3級までに等級が分かれており、2年おきに更新する必要があります。
更新の際には診断書を提出する必要があります。
都道府県知事や指定都市市長に対して申請を行うこととなります。
「療育手帳」は知的障がいがある子どもを対象に交付されるものとなっています。
障がい者向けグループホームに申し込みを行う際に、これらの障がい者手帳が必要となりますので、それぞれの自治体に申請をすることとなります。
申し込みの際には、これらの手帳とマイナンバーカードやパスポートなど本人確認ができるものが必要となりますので合わせて用意するようにしましょう。
2.生活保護の人が障がい者向けグループホームを利用する手順とは
生活保護の制度とは、「生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長する」ということを目的としている制度です。
大きく分けると8種類の扶助があります。
・生活扶助
・住宅扶助
・医療扶助
・介護扶助
・教育扶助
・出産扶助
・生業扶助
・葬祭扶助
といったもので、これらを合わせて「生活保護」と呼んでいます。
そうした生活保護を受けている人が障がい者向けグループホームに入居するには、「障がい者手帳」「障がい福祉サービス受給者証」が必要となってきますので、これらを用意していくこととなります。
生活保護を受けている人は、一般的にはその時点で住んでいる地域のグループホームに入居することが多いのですが、他の自治体のグループホームに入居することも可能です。
その場合は、その時点で住んでいる地域に生活保護を申請することとなります。
障がいを持っている人は定期的に通院することも多いのですが、生活保護を受けている人は医療費全額が医療扶助でまかなわれることとなり、「医療券」が支給されます。
この医療券は住んでいる地域の自治体で発行されますので、こうした自治体、病院、グループホームが近い方が便利となります。
医療券を持たずに通院したり、自治体がしていない病院に通ったりすると高額な医療費がかかるので注意が必要です。
グループホームの家賃については、「生活保護の家賃扶助の基準額内」であればそこから全額がまかなわれることとなります。
その基準額はグループホームがある地域によって違うため、事前に確認が必要となります。
また、「生活保護受給者」または「市町村民税非課税世帯」に該当する場合は月額1万円を上限として家賃助成の補足給付が行われることとなります。
まとめ
生活保護を受けている人が障がい者向けグループホームを利用する際には、「身体障害者手帳」「精神障害者福祉保健手帳」「療育手帳」といった障がいを証明するものと、「障がい福祉サービス受給者証」といった生活保護を受けている証明が必要となります。
それらを合わせて、希望するグループホームに入居の申請を出すこととなるのです。