戸建て型グループホームとアパート型グループホームの特徴と違い
少しずつ増えている障がい者グループホームですが、いくつかの形態に分かれているという特徴があります。
「戸建て型」「アパート型」などに大きく分かれるのですが、それぞれに長所や短所があるため、その人に合った形態のグループホームを選ぶことが重要となります。
そこでここでは戸建て型グループホームとアパート型グループホームの特徴や違いについて紹介していきたいと思います。
1.障がい者グループホームとは
障がい者グループホームは、障がいを持った人が一緒に生活をしながら、生活に必要となる支援を受けながら自立した暮らしの実現を目指していく施設です。
グループホームには専門のスタッフが常駐しており、食事、風呂、金銭管理、健康管理、悩み相談などさまざまなフォローをしていくこととなります。
利用することができるのは、
・身体障がい
・知的障がい
・精神障がい
・難病患者
などとなっており、18歳以上~65歳未満の方の利用に限ります。
障がい者総合支援法における「障がい支援区分」によって世話人や支援人、スタッフなどの配置基準が変わってくることとなりますので、まずは支援区分の判定を受けることとなります。
支援区分は「0」~「6」までの7つの区分に分かれており、数字が大きいほど支援の度合いが強いと判断されます。
そして使用される建物はどのような建物でも良いというわけではなく、
・建築基準法
・法人法
・介護保険法
・厚生労働省令 第34号「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」
・自治体の条例(まちづくり条例など)
・障害者総合福祉法、老人福祉法
・バリアフリー法
・消防法
といった法律基準を満たしているということが条件となります。
すでに建っている一戸建てなどをグループホームに改修して使用する場合は、こうした法律の基準を満たした改修を行う必要があります。
2.戸建て型グループホームとは
戸建て型グループホームはその名前の通り、利用者は一戸建ての住宅に住んでサービスを受けるというものになります。
食堂やリビング、トイレなどが共有スペースとなっており、シェアハウスのように共同生活を送っていくこととなります。
自分の部屋はありますが、誰かと共に過ごす時間が長くなっており、一人の時間が少ない代わりに他人の目が届きやすいというメリットがあります。
スタッフ、世話人、支援人は食事や風呂、トイレの介助を行う場合もあり、24時間体制(うちは24時間ではないのでこの記載は誤解をうみそうなので、いらないのでは?)での支援となります。
こうした特徴があるため、比較的重い障がいがある人が利用しているという傾向があります。
アパート型グループホームでは支援しきれない、対応しきれない部分も対応できるということがありますので、利用者は安心して利用することが可能となります。
しかし、その反面、支援する側の負担は大きくなります。
スタッフは多く必要になりますし、障がいの度合いが強い利用者が多いため、その業務量も多くなる傾向があります。
3.アパート型グループホーム
アパート型グループホームは、利用者がマンションやアパートのような建物のそれぞれの部屋に住みながら支援サービスを受けるという形態となっています。
もちろん、交流室、共有スペースなどが設置はされていますが、完全な個室が用意されているという要素が強いため、プライベート空間がしっかりと確保されているというメリットがあります。
ただ、その分、他人の目が届きにくいという要素が強くなりますので、基本的な日常生活は自分一人でできるという利用者でなければ利用は難しいこととなります。
そのため、障がい支援区分が比較的低い、軽い障がいの人が利用することが多い形態となっています。
こうしたアパート型グループホームを利用している人の中には、完全に自立して一般の住居で生活をするための準備をしているという場合や、就労支援を受けて働くという活動をしているという人もいます。
そうした生活の準備段階、練習段階としてアパート型グループホームを利用しているというケースがあるのです。
アパート型グループホームの特徴としては、利用者がある程度一人で生活をできることが多いので、常に日常生活のすべてを支援する必要がないというメリットがあります。
個人のプライベート空間も確保されており、余裕を持って生活ができるということがあります。
ただ、逆になにか突発的なトラブル、緊急事態が発生した場合に対応が遅れやすいというデメリットがあります。
利用者がそれぞれの個室で生活をしているために、何かトラブルが起こった場合に気づきにくく、対応が遅れる場合があるのです。
まとめ
戸建て型グループホームとアパート型グループホームにはそれぞれに特徴、メリット、デメリットがあります。
そのため、利用者の障がいの度合いや、目的などに合わせて選ぶ必要があると言えるでしょう。