障がい者向けグループホームの安全設計とは

障がい者向けグループホームでは当然のことながら安全に配慮した設計がなされています。

これは利用するのが体が不自由なことがある人であることが関係しています。

そこでここでは障がい者向けグループホームの安全に配慮した設計、設備について紹介していきたいと思います。

1.定められている基準とは

障がい者向けグループホームは運営する上で必要とされる基準を満たしていなければいけません。

そこでまずその基準を紹介していきます。

・立地条件

利用者に対して、家庭的な雰囲気の下、指定共同生活援助を提供するとともに、地域との交流を図ることによる社会との連帯を確保する観点から、入所施設や病院の敷地内に立地されるのではなく、住宅地又は住宅地と同程度に家族や地域住民との交流の機会が確保される地域の中に立地されること

・居室面積

7.43平方メートル以上(収納スペースを除く)

・居室定員

1人

・設置設備

ユニット毎に複数の居室、居間、食堂、トイレ、風呂、洗面所、台所が必要

・支援体制の確保

地方公共団体や社会福祉法人等であって、障害福祉サービス等を経営する者や他の関係施設の機能を活用すること等により、支援体制が確立できると見込まれる者との間の連携及び支援の体制を整えること

・その他の必要な設備

消火器 

屋内消火栓設備 

スプリンクラー設備     

自動火災報知設備       

火災通報装置   

非常警報設備   

避難器具       

誘導灯 

防炎物品       

などとなっています。

ただ、必要となる設備は床面積や専有面積によって義務付けが変わってくるため、それを確認した上で設置していくことが重要となります。

2.安全設計のために行われている工夫

法令などで定められている基準のほかにもそれぞれのグループホームでは安全に配慮した設計が行われています。

ここではそれらの工夫について紹介していきます。

・ガスコンロではなくIHコンロを採用した

オール電化にするグループホームも増えてきています。

オール電化は初期費用がかかるため、敬遠されることもあるのですが、長期的な目で見ると使用料が安い、安全であるという点があります。

特にコンロはガスコンロよりもIHコンロの方がかなり安全で火事発生のリスクも減るので注目されています。

・転倒防止を意識した設計となっている

バリアフリーや手すりの設置だけでなく、転倒してしまった時のケガを防ぐために床材自体をクッション性がある柔らかい素材を使うという方法があります。

硬い床材よりもケガをするリスクを抑えることが可能となっています。

・見守りを意識した導線や物の配置となっている

入居者のケガを防止する、突然の異変に早く気づくということを優先するためにはスタッフによる見守りは不可欠なものとなっています。

そのため、見守りを行いやすい導線にすること、物の配置をするということが重要となっています。

・トイレや風呂、洗面所などへの移動をスムーズに

トイレや風呂などがわかりやすい位置にあること、移動距離が短くて済むこと、案内表示がしっかりとされていることで入居者は安心して利用できるようになります。

自分で判断して行動することができるということも障がい者向けグループホームでは重要なこととなっているのです。

3.過ごしやすい空間になるための工夫

絶対に必要というわけではありませんが、やはり入居者が生活していく上で「過ごしやすい」ということは大切なことです。

そこでここでは入居者が過ごしやすい空間となるような工夫を紹介していきます。

・木造平屋の設計である

建物としては珍しいのですが、木造平屋にすることで段差が少ない、アットホームな空間となりやすい施設となります。

木でできていることは精神を安定させやすいということもあり、木の壁に暖色系の照明を使うことで温かい空間を演出することができます。

・採光を意識した設計となっている

居室やリビング、廊下など建物自体に採光が意識されていることは生活していく上で重要なこととなります。

日当たりを考えた窓などの設置が求められます。

・アイランド型キッチンなど大きなキッチンにした

入居者同士が協力して何かをできるスペースというのは入居者同士の交流という意味でも非常に重要なものとなります。

特にキッチンはみんなで料理をすることができるため、交流の場として使いやすいというメリットがあります。

そのほかレクリエーションなどを行う共用スペースを使いやすいものにするということも重要だと言えます。

・ベランダや廊下などをゆとりのある作りにした

何か作業をする場所、洗濯を干すベランダ、歩く通路などは広めの設計にすることで、動きやすい環境を作ることができます。

それぞれの場所に余裕を持たせることが入居者が行動しやすくなることにつながるのです。

まとめ

グループホームでは入居者の安全に配慮した設計がなされており、設備も整えられています。

また、入居者が安心して過ごせるような工夫も色々とされています。

これらか設置されるグループホームも安心安全に配慮した設計がなされていくと考えられています。