障がい者向けグループホームはこれから増える?

徐々に増えてきているとされている障がい者向けグループホームですが、この増加傾向がこれからも続いていくのかどうかはわかりにくい部分もあります。

そこでここでは障がい者向けグループホームのこれからの展望について紹介していきたいと思います。

厚生労働省が発表しているデータによれば日本では障がい者が「800万人弱」ほどいるとされています。

これは総人口の割合から考えれば約6%に当たり、日本国民の16人に1人が障がい者という計算になります。

こうした障がい者の数全体は増加傾向にあり、少子高齢化が進む日本では社会保障費用との兼ね合いが注目されています。

1.障がい者の数は増加傾向にある

そうした福祉施設には障がい者支援施設などがあり、そこで生活をしている障がい者も多いのですが、近年では自宅や障がい者向けグループホームでの生活をする人が増加してきています。

そのため障がい者向けグループホームの需要は高まってきており、国や地方自治体もグループホームに対する支援を充実させています。

これは障がい者支援施設の利用よりもグループホームの利用の方が社会保障費を抑えることができるという理由や、グループホームでの生活の方が利用者の満足度が高くなっているということも関係しています。

2.グループホームが人気の理由とは

障がい者支援施設での共同生活はもちろん障がい者が生活をしやすいように配慮がされている施設ですが、そこでの生活がすべての障がい者にとってもっとも良い方法かというとそうではありません。

支援施設では生活がしっかりと管理されており、自由度はそれほど高くはないため、そこでの生活をしんどいと感じる利用者もいるのです。

それに対して障がい者向けグループホームでは「支援を受けることで自立した日常生活をすることを目指す」という生活をすることとなります。

そのため個人の自由はある程度高く、自分一人で日常生活をおくっていくことを目指して生活が行われています。

そうした考えから障がい者向けグループホームは「障がい者施設」ではなく「共同住宅」としての意味合いが強くなっています。

実際に障がい者支援施設を出た人のうち、かなりの割合の人が障がい者向けグループホームに移っています。

もちろん自宅に戻る人もいるのですが、障がい者が自宅で生活をする場合には介護や日常生活の支援を家族が行うこととなるため、家族への負担が大きなものとなります。

そうしたこともあって障がい者向けグループホームへの移行が人気となっているのです。

3.グループホームでの生活は

グループホームでの共同生活は「ユニット」という単位で考えられます。

1つのユニットの定員は10人以下とされており、人数が多くなりすぎないようになっています。

こうしたユニット内では共有スペースや食事などを通して交流がはかられるようになっており、スタッフも交えてレクリエーションが行われることもあります。

原則として1つの居室には1人が入居することとなっており、それぞれのプライバシーが保護されるようになっています。

ただ、夫婦で入居する場合などは2人で1つの居室を利用するということもあります。

こうした共同生活の場でスタッフによって入浴、食事、排泄などの日常生活の支援を受けることで自立した生活を送っていくことを目指しています。

介護が必要な場合は、グループホームの事業所内で介護サービスを提供することもできますし、外部の居宅介護事業所に委託するという方法もあります。

これらのグループホームは、その地域に溶け込んで生活をしていくということが前提となっており、地域コミュニティに積極的に参加していくことが求められています。

また、支援施設のような指導や訓練的な要素は最小限に抑えられ、管理性が排除されたものとなっているのも特徴です。

多くのグループホームでは一般住宅地内に位置し、建物の外観も一般の住宅と同様のものが求められています。

4.近年では大手不動産会社なども運営に進出している

グループホーム事業は、

・国の認可事業であること

・収益が安定していること

・需要が高まっていること

・社会福祉の面が強く、企業イメージとしても良いこと

といった点が理由となって投資事業や事業運営面からも人気となっています。

近年では、大手不動産会社もグループホームの運営に次々と乗り出しています。

やはりその理由としてはグループホームの運営が「国の認可事業である」ということが大きく関係しています。

認可事業であるということは、供給過多の状態にはなりにくいということでもあります。

また、国の給付金が収益の中心となるため、利益の安定性と継続性は非常に高いものがあります。

こうした国の認可事業であり、社会福祉に関係しているグループホーム運営ですので、金融機関からも融資を受けやすく、社会的評価にも良い影響を与えることがあると言えるのです。

まとめ

障がい者向けグループホームはその需要の高さからこれからも増えていくことが予想されています。

国や地域もその運営に支援を行っており、今後も展開が進んでいくと言えるでしょう。